UCCのブラック缶コーヒーには、次の文言が記載されている。

「UCC独自のTTND製法(特許第3057026号)で抽出。
さらなる“キレ味”を追求した無糖缶コーヒーです。」

このTTND製法とは何なのか?

気になったので、特許庁のホームページ(http://www.jpo.go.jp/indexj.htm)で調べてみた。

1.トップページから「特許電子図書館」をクリックする。


2.検索メニューの「特許・実用新案検索」にポインタを合わせ、ポップアップしたメニューから
「1.特許・実用新案公報DB」をクリックする。
3.文献種別に「B」、文献番号に「3057026」と入力し、「文献番号照会」ボタンをクリックする。
4.左ペインのリンク「特許3057026」をクリックする。

すると、TTND製法の特許内容が中央ペインに表示される。

これを読むと、TTND製法とは具体的には、以下の内容だと分かる。

そして、実際の評価で採用した抽出方法は、以下の内容だと書かれている。
比較対象の評価試料は「同一のコーヒー豆を同一量使用し、同一の抽出器において1500kgの95℃の加熱水を注いで20分抽出し」たものとのこと。

気になったのは、官能試験の以下の記述だ。
「評価試料は、添加物のないブラックコーヒーのままで20℃に加温し、評価を行った。」

これはおかしい!

たとえば、自動販売機で缶コーヒーを買った場合、20℃の状態で飲む人が何%いるだろうか?

冷えた状態で飲む人がほとんどだと思う。

つまり、評価は、20℃ではなくもっと低い温度で行うべきだ。

評価結果からその点を差し引く必要がある。そして、結果は以下の通り。
○:良好△:普通×:不良

つまり、第1の抽出液は「香り」に優れ、第2の抽出液は「苦み」「酸味」に優れ、
第3の抽出液は「濃厚感」に優れているという結果だ。

また、20名のパネラーの点数は以下の通り。
そして、詳しい測定条件は省略するが、ガスクロマトグラフによる香気成分の総量測定は以下の通り。
従来法と比較して香気成分の総量が約30%増加したとの結果だが、
これは、冷えた状態の缶コーヒーの話ではないことを付け加えておく。

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